人間は“食べた物”で出来ている。
 

 10年の間、日本を離れ、帰国した時、「えっ?!どこの国?」と感じました。道端に座り込んで化粧をする女子学生、迷惑行為をする者の身勝手な言い分、報道される親族殺人・・・。その上、交通事故死を上回る年間3万人の自殺者。日本は“どうなってしまったの”。?

 戦後、“産めよ増やせよ”の時代は、団塊の世代という競争社会を生み、この世代が結婚をし、高度成長を体験し、その子供たちは、お受験戦争に巻き込まれストレスまみれ。かといえば“ゆとり教育”などと言い、政治家は社会を身勝手に揺さぶり、大学は教養課程を無くして、将来像を描けない未成年に専門分野を決めさせたり、小中高は「道徳」、「技術・家庭科」、「体育・芸術」の時間を削減し、上位学校の“予備校”のような状態。そして、団塊の世代の親たちは、医学の進歩の歪んだ恩恵で“長生き”し、人間としての尊厳を軽視されて“寝たきり”でも長寿国という首を傾げるような状態になった。

「健康って何?」、「幸せって何?」。
ここ数年、特に上辺だけを繕って動いている日本の姿に、私たちは翻弄されているのではないでしょうか?

 郊外レストラン出の出来事。
美しく盛りつけられたサラダ。鮮やかな色のスイーツ。湯気を出しているジューシーなハンバーグ。大量のフライドポテト。
幼児の前には、小さ目だけどチーズたっぷりなピッツァや綺麗な色のリンゴジュース。“ママ友”は、おしゃべりに夢中。子供達は、ケチャップをドッサリ。好きな物は食べるが、嫌いな物は食べない。大声と笑い声。一見すると平和な光景。
しかし、隣国ではミサイルの発射音。国民が知らないうちに、50か所上の原発が出来上がっていた。そして、全てが止まったはずなのに、昨今、明らかに無理な再稼働を始めてしまっている。
 
「日本は、このままで良いの?」
例えば『食の安全性』。
人間は、“食べた物”で出来ているのに、「食べ物が食べている物、食べ物が育っている環境」に無頓着過ぎませんか?
私達が頂いている野菜。“その野菜”は、何を食べているのかな?。肥料も農薬も野菜の食べ物と考えたとき、私たちにとってその野菜は、健康を助ける事になるのかな?。もしかして、病気を育む物かも。
畜産物はどうだろう。
牛、豚、鶏・・・。私たちが命を頂いているその牛。草だけを食べて育ったのかしら?。私たちが頂く物が食べていたもの、それが、じわじわと、今の人間の心と身体を蝕んでいるとしたら?
食べる機会の多い加工食品も要注意。
裏の成分表示の読み方を知っていますか?
その成分はどんな作用を体内で起こすか知っていますか?
どんな工程で出来た製品なの?
見た目に美味しそうでも、真実を知れば、驚きの連続かもしれません。

大事な事を忘れないで下さい。
成分として表示されているデータは、生命の一部になるけれど、生命ではない。
食物連鎖は、全ての生命が関連しているということだから、命の素と命の一部が有害なら、連鎖の頂点にある人間には毒として体内に蓄積され、妊娠により次世代に引き継がれることになる。
理想と現実はちがう?
今の日本社会は、命を任せるには頼りない。かと言って、騒いでみても直ぐには変わらないのが社会という仕組み。

 だとすると、自分や家族の命は、誰が守るの?
自分でしょう。私たちが守るしかないのです。

これらの事をふまえ、「だからどうしよう!」と考える。
食材の選び方、野菜の洗い方、調理の方法、加工食品の選び方・・・。ちょっとした知識と技術で、今直ぐに始められる“健康生活”。

 直ぐにキレる子供が何を食べているか?。スマホが手放せない、仮想世界に生き現実逃避や精神が不安定な若者。親離れ出来ない子供。子離れ出来ない親。
何を食べて、何を食べてこなかったかな?。
その傾向は現代の科学レベルでほぼ解明できています。
『医食同源』。それを根本から考え、簡単に使える技術にして、家庭に普及する。それも、私たちの『食育』の使命だと思っています。
参考ですが、WHO、世界保健機構の『健康の定義』は3つでしたが、今は4つです。
Health is state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは単に病気じゃないとか弱ってないとか言うだけでなく肉体的にも精神的にも社会的にもすべて満たされた状態にある事。
Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
新たに追加されたスピリチュアル ヘルス。
「固定した状態ではない」と言うdynamicは、健康と疾病は別の物ではなく連続した物であるということ。spiritualは、目に見えないもの、例えば、愛情を分け与える事で与えた自分が感じる事の出来る喜びがある。それを感じられる事も健康に必要な要素。人間の尊厳の確保や生活の質を考えるために必要で本質的な物だと認められたのです。

 子供達は素直です。先入観無しに受け入れてくれます。だからこそ、魅力あふれる人間になり易い。親が変われば子供が変わるのは当然ですが、私は、『子供が変われば親が変わる』ことを実感しています。また、女性が変われば男性が元気になる。家族が変われば、社会が変わる。社会が変われば、日本が変わる。食物連鎖と同じように、文化も連鎖しますね。

 伊豆ユネスコクラブの活動が、コピーミスに陥っているかもしれない日本の文化を、「医食同源+温故知新」で乗り切り、世界をリードできる日本の子供達の育成の一助となるよう、強く望んでいます。

総合健康アドバイザー 赤須知美
(看護師、ONP認定オーソモレキュラーニュートリションスペシャリスト、JLBA認定ローフードマイスター)

 
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